「国宝」を見て、一ミリも泣けなかった!!
私は基本的に舞台が大好きなので、映画は映画館ではあまり見ないのですが、
東宝の株を持っている関係から、
半年に一回無料で見られるチケットがあるので、
無駄にするのも勿体ないので、何を見ようかいつも迷うのですが、
6月いっぱいに何か見なくてはならないので、
今回とても評判の良い「国宝」か、とても興味がある「フロントライン」のどちらかにしようと思い、
見た方々の感想が大絶賛だった「国宝」を見ることにしました。
前評判通り、作品も、主演の吉沢亮さんも助演の横浜流星さんも、本当に迫真の演技で素晴らしかったです。
これは恐らく来年の日本アカデミー賞にノミネートされること間違いなしの作品だと思いましたが、
私は一ミリも泣けなかったのですよね。
グッと込み上げてきたのは、始まって10分くらい、
主人公の父親が極道の争いで、息子本人の前で殺されてしまうところ。
始まったばかりでこんなに目頭が熱くなってしまうなんて、これから先、どうなっちゃうのだろう、と思いながら見ていましたが、
残念ながら、ここがピークで、あとは、一ミリも泣けませんでした。
「国宝」という題名ですから、
歌舞伎の世界で、色々困難に合いながらも最後は「国宝」という名誉を授章する、という物語りなのですが、
今だったら、コンプライアンス違反で訴えられそうな厳しいお稽古や、何もかも犠牲にして一筋に芸事にかける姿勢や、どんなことをしても上へ上がりたいという気持ちや、血筋の問題や、才能の問題、等々、胸に詰まる見所がたくさんありましたが、
芸事を目指す人間としては、ごくごく当たり前のこと、
汚いことをするのは論外ですが、
どんなに辛いこと、厳しいことがあろうとも、何もかも犠牲にして耐えて耐えて努力を重ねる事は、
芸事を目指している人間にとっては、至極当然のことです。
(昭和時代のお稽古は、こんなものではなかったです。もっともっと厳しかったです)
宝塚の生徒さんたちも、みなさん、全てを犠牲にして、命をかけて芸事に取り組んでいるのは紛れもない事実だと思います。
それでもどんなに頑張っても、どうしても自分の目標とするところに届かなかったり、
諦めざるを得ない状態になってしまって、
違う道を選ぶことになってしまうのだと思うのです。
誰も手を抜いている人なんていないんです。
どんなに苦労したって、最後「国宝」になれたんだから、それで幸せ過ぎではないですか、
と思ってしまうのです。
ほとんどの人は、
全てを犠牲にしてどんなに頑張っても報われずに終わってしまうのですから……
体験者である私がこういう考えなので、素直に感動して泣けなかったのは仕方がなかったことだと思います。
やはり私は「フロントライン」を見ればよかったかな……
「国宝」自体は、本当に素晴らしい作品でしたし、
役者さんたちの鬼気迫る力演も見事でした。
それだけは付け加えておきます。
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