暁千星、完全に覚醒
組替えって、ご本人にとって、
今まで慣れ親しんだ大好きな場所を離れて、見知らぬ世界へと飛び込む、大変な勇気のいることだと思います。
もちろん、宝塚はひとつ、なのですが、
組替えされた方々のお話を聞くと、
各組によって、同じ劇場の使い方でも、まるっきり違って、
まるで初めて来た劇場のように感じることもある、と聞きます。
相当な不安と緊張と、プレッシャーを伴うものだと思っています。
そんな大変なこと、大好きな生徒さんたちに、出来ることなら経験して欲しくない、
いつまでも、自分のことをよくわかってくれている大好きな場所で、ずっと頑張って欲しい、と思うのは山々ですが、
組替えをなさった方々を見ていると、
本当に皆さん、それまでとは明らかに変わって、さらに生き生きと、魅力的になり、
一皮も二皮も剥けて、新たな輝きに満ちて、光輝いているではありませんか。
苦労や困難は、人を育てる、と言いますが、
悩んで悩んで、その末に、自らも気が付かなかったような自分の魅力が、爆発するのだと思います。
月組から星組に組替えされた暁千星さん。
月組の御曹司として、大切に大切に育てられて、
そのまま、月組のトップさんになられるのだろう、と誰もが思っていたと思います。
ファンどころか、ご本人も、この組替えの知らせを聞いたときには、
青天の霹靂、信じられない気持ちでいっぱいだったと思います。
でも、今回の、別箱「赤と黒」を拝見して、
本当にこの組替えは、大、大、大成功だったのだな、と改めて思いました。
月組時代から、とてもカッコいい、素敵なありちゃんでしたが、
星組にきて、完全に覚醒したというか、脱皮したというか、
今までのありちゃんにはない大人の包容力のようなものが明らかに備わっていました。
客席との大人の駆け引き、
客席、演者皆を引き込んで、舞台を回していくストーリーテラーとしての大きな存在感、
がぶ飲みする酒ビンが、哺乳瓶に見えるね、と言われていた可愛い過ぎるありちゃんは、もうどこにもいません。
(これからも可愛い役はきっと可愛く演じてくれると思いますが)
それは、何より、組替えという、自分のなかでの宝塚史上初めての試練を経験して強くなったからだと思います。
ありちゃんは、元々、とても歌うまさんだと思っていますが、
礼真琴さんの下、もっともっと磨かれていかれるのではないか、と直感しました。
今回の公演で、礼さんと同じ旋律を歌うところ、
ありちゃんが先で、十分過ぎるくらいお上手なのですよ、
本当に素敵な歌声で、聴き惚れるレベルですが、
次に、同じ旋律を礼さんが歌うと、あら不思議、
さらにさらに異次元に素晴らしくて、
こんな風に歌うことが出来るんだ、とのすごい発見があったんです。
今までの環境や、自分だけでは気が付かなかったような体験を、
こんなにも身近で、素晴らしい礼さんから直接学べることを、
本当に幸せに感じていると思います。
こういうチャンスは、望んでも望んでも、なかなか得られるものではありませんからね。
同じ組替えで、
朝美絢さんが、素晴らしい望海風斗さんからたくさんのことを吸収して、
見違えるほど歌うまさんになられたように、
ありちゃんも、これからますます、高みに上っていかれると思います。
どこまで上っていかれるのか、楽しみで楽しみでワクワクが止まりません。
ドラマシティは終わりましたが、青年館劇場でも、さらに進化した舞台を観せてください。
千秋楽まで、無事に完走出来ますように。
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