トップスターになるためには、いろいろな役や、試練を乗り越えて、

誰もが認める成功へと結び付けなければなりません。

その、数々あるお役の中でも最も重要な試練が、悪役だと思います。

代表的なもので言うと、

「オーシャンズ11」の、テリー・ベネディクト

紅ゆずるさんしかり、望海風斗さんしかり、

それまで、まだはっきりとしていなかった、とみられる路線を、

この役を大成功させることで、しっかりとトップへの道を手繰り寄せました。

桜木みなとさんも、多分あとに続くのでしょう。

有名なところでは、

「エリザベート」のルキーニ、

完璧な悪役ではないかもしれませんが、存在自体が大変難しいお役で、

舞台を進行させる力とか、アドリブ力をみられて、

この役の成功がトップへの鍵となることは明解でしょう。

ルキーニ伝説があるくらい、このお役をものにして、トップになられた方は多いです。

悪役の他に、一筋縄ではいかない、こじれ役、もトップへの軌跡になると思われます。

明日海りおさんが演じて絶賛を浴びた

「春の雪」の松枝清顕

複雑で非常にこじれた役でしたが、その心情を見事なまでに演じきって、

トップを確実にしたと思われます。

月組から雪組に移ったばかりの朝美絢さんも、

これから、いったいどうなるかわからない重要な時に、

「ひかりふる路」のサンジュスト

に巡りあって、それを、期待以上に魅力的に演じきりました。

そこで、逸れかかっていた軌道をしっかりと持ち直して、現在の活躍があると思っています。

最近では、

「夢千鳥」の竹久夢二

非常にこじれたお役でしたが、

和希そらさんが、それまで蓄えていた全てを吐き出すような見事な演技で、

私達を魅了してくださいました。

これで一気に路線に乗ったのではないでしょうか？

と思うくらいの素晴らしい出来でした。

大切な時期に、重要なお役に巡り会うことは、奇跡に近いような、大変なことだと思いますが、

大きな運も重なって、有り難くも、そういうチャンスに恵まれた皆さんは、

どうぞそのチャンスを逃さずに、必ずものにしてください。

チャンスに巡り会うことも奇跡ですが、それを自分のものに出来るかどうかは、

常日頃のたゆまぬ努力、何が来ても大丈夫、という実力を兼ね備えていてこそ、のことだと思いますので、

常日頃、地道に頑張っていれば、必ずやチャンスに花開くと思いますので、頑張って頂きたいです。

最近は、昔のような勧善懲悪的な作品も少なくなり、(あるにはありますが)

心情が複雑に入りくんだ作品が多いように感じます。

それだけに、演じる側としては、やりがいもあるというもの。

ヒーロー像も時代と共に変わり、完璧な良い人、正義の味方ではなくなってきていて、

これから別箱で上演される作品では、「嘘つき？」「復讐に燃える人」「詐欺師」など、

今まででは考えられないようなこじれた人物が主役となって活躍する作品が続くようです。

これも、与えられた貴重なチャンスだと思いますので、

是非是非、頑張って頂いて、自分の目標とするところへ、近付いていって頂きたいと思います。

応援しております。

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