トップスターの意向はどこまで通るのか?
いよいよ、昨日、真風凉帆さんの最後の公演、
宙組「カジノ・ロワイヤル」東京公演の幕が上がりました。
真風さんの男役の集大成、どうぞ大千秋楽まで、無事に上演出来ますように。
よく、退団の時期だけは自分で決められるけれど、
その他のことは、ほとんど自分の意思では決められない、と言われるのが宝塚です。
果たして、トップスターの意向ってどのくらい通るのでしょうか?
やりたい作品や、退団の時の演出家などの希望はある程度通るのではないかと思っています。
明日海りおさんは、多分ですが、トップ期間中に、
「エリザベート」と、「ME AND MY GIRL」をやりたかったのだと思うのですよね。
月組時代から「エリザベート」に出演していて、今回が3回目
「3回目にして、とうとう(トートー)トートをやることが出来ました」とだじゃれを言うくらい喜んでいました。
蘭乃はなさんの退団公演と、明日海りおさんのトップお披露目公演で、
大いに盛り上がり、大変なチケ難でした。
そして、月組時代にジャッキーの女役をした「ME AND MY GIRL」
女役はあまりやりたくなかったようで、新人公演で主役のビルをやったときに、
水を得た魚のように生き生きとしていて、ご自分でも、
「ああ、やっぱり男役が好きだな、と再認識した作品だった」
と、おっしゃっていて、どうしてもトップでそれをもう一度やりたかったそうです。
望海風斗さんも、ずっとファントムをやりたい、と言っていて、
真彩さんとの思い出もあるファントムをトップ時代にやられました。
これらは、やりたい作品でトップの意向が通ったものですね。
礼真琴さんも、多分、「ロミオとジュリエット」と「1789」は、どうしてもやりたかった作品なのではないでしょうか。
希望が叶ったということですね。
自分の退団公演の演出家を希望できる、ということは聞いたことがありますが、
珠城りょうさんは、多分、退団公演は絶対に上田久美子先生にやってもらいたかったのだと思います。
自分が認められるのと、上田先生が認められるのがシンクロするように、
お二人で、高め合ってきたような存在ですものね。
だから、珠城さんの意向が通った後に、上田先生は辞めていかれたのだと思っています。
(上田先生は、珠城さんに対して何も感じていない、という発言をされていましたが、珠城さんは、上田先生のことを、強く強く思っていたと思います)
このように、トップになると、ご本人が強く願っている意向は、ある程度、果たされるような気がします。
ここからは私の想像、妄想ですが、
真風さんは、作品では何か強くやりたい、という思いはあまりないように思いますが、
(劇団からの提案に、全力で応えてきたように感じます)
ただ、退団公演は、小池修一郎先生の作品で辞めたい、ということだけは、強く思っていたように感じます。
何も出来なかった下級生時代から、
叱咤激励、厳しく厳しく叩き上げられて、
時には出来なくて泣いた日もあったでしょう、
でも、歯を食いしばって頑張ってきて、こんなに素晴らしい男役の鏡のような存在になりました。
なにより、こうなれたのは小池先生の厳しくも温かいご指導があってのことだ、と、真風さんは強く思っていると思います。
初舞台を踏んだ「ネバセイ」は絶対にやりたかったと思うのですが、
真風さんは、ここを退団公演にしたかったのではないか、と今でも思っています。
思い出の作品ですし、なにより、小池先生の代表作ですから。
でも、宝塚とLDHとのコラボ契約が決まってしまって、
宙組、真風さんで、「ハイロー」をやることになってしまって、
「ネバセイ」では辞められなくなってしまった。
それでは、「ハイロー」で辞めれば良かったのではないか?
でも、退団公演はどうしても小池先生の作品で、というのだけは譲れなかった、
そこで、もう一作、久々のオリジナル作品を、可愛い真風さんのために小池先生が書き下ろしてくれた、
ということではないかと思っています。
巷ではこの作品について色々言われていますが、
それがどんな作品でも、真風さんは自分の意向が実現できて、
本当に満足な退団公演になったのではないでしょうか。
表情からも、全てをやりきった幸福感に満ち溢れていますよね。
とても素晴らしい幕引きだと思います。
最後の東京公演、真風さんの集大成、「カッコいい」の宝石箱、
今から生で観るのが、とっても楽しみです。
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