新人公演が軒並み中止になっております。

宙組はもちろん、雪組も、そして月組まで……

前から思っていましたが、新人公演のお稽古は大変過酷です。

本公演があくまで基本なので、その他の空いている時間にお稽古しなければならず、

お稽古開始は本公演が始まってから、と決まっているそうです。

それでなくても忙しいジェンヌさんたち、

それこそ寝る間を惜しんでの練習になるでしょう。

責任ある立場になればなるほど、さらに過酷になっていきます。

新人公演だけが理由ではないと思いますが、

そんな中で今回の宙組の悲劇が起こってしまったのは、本当に本当に悲しくて残念で仕方ありません。

諸々の事情もあり、新人公演を自粛する方向にいっている気がするのですが、

このまま新人公演がなくなってしまう、なんてことはないですよね？

これから先、新人公演のお稽古のやり方など、改善する必要は多々あると思いますが、

私は、是非ともこれからも続けていって頂きたいと思っております。

今日「カフェブレイク」に、花組天城れいんさんがご出演されたのですが、

「鴛鴦歌合戦」の新人公演で初めて主演をされたお話をされていました。

役が大きすぎて、お稽古も大変過ぎて、舞台に立つのが怖くて怖くて仕方なかったそうです。

でもそんな時、本役の柚香光さんから、

「お春ちゃんとお客様をギュッと抱き締めていたら大丈夫だよ」

と言われて勇気が出たそうです。

終わってからも、

「お客様は鏡だからね。こちらが大きく包み込もうと思ったら、お客様もすごく温かかったでしょう」

と言われて、「そうなんだ」と、初めて出合えた感覚を味わったそうです。

「丁寧で繊細に作り上げていて素敵だったよ」

とまで言ってくださって本当に嬉しかったそうです。

お稽古はそれこそ過酷で大変な日々だったけれど、

いい舞台を作りたいという矢印が皆全員から出ていたので乗り越えられたと……

まだまだ若い学年での、責任ある立場で舞台をまとめなくてはならないのは、

想像を絶するほどの大変さだと思います。

そういう時にかけられる言葉のひとつひとつが大きく影響してしまうのではないかと、

天城さんのお話を聞いてつくづく思いました。

叱咤激励もとても大切ですが、

その時のその人の気持ちに寄り添って、温かい言葉がかけられたら、

このような悲劇が生まれなかったのではないかと、本当に本当に残念でなりません。

芸名の「れいん」は本名の「雨」からきているそうで、その「雨」の由来は、

「大地を湿らす恵みの雨のように、人の心を癒せる人になって欲しい」という願いが込められているそうです。

素敵なお名前ですね。

大変でしょうが、これからも新人公演は是非とも続けて欲しいです。

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