「宝塚は一つ」じゃないかも……組替え問題
組替えは個人にとって非常に大きな試練の一つで、
ずっと大好きだった組や仲間から離れて、
たった一人で全く違う組(世界)に行かなければならないのって、
端で感じているより、相当大変なことだと思うのです。
でも、今までの組替えを見ている限り、
最初はどなたも苦労していますが、
ご自分の努力もあり、段々と新しい組にも慣れて、組子との信頼関係も出来、
組替え前よりも苦労した分、一皮も二皮もむけて、数段飛躍される方が多いように感じます。
「宝塚は一つ」とよく言われますが、
宝塚は5組あるので、それぞれの組で、雰囲気、風習、常識、重んじるもの、などなど、
随分違うように感じています。
むしろそれがおのおのの組の個性となって表れるので、
観に行く者にとってはこの上なく楽しみだったりするのですが、
組替えで、急に明日から、天と地ほど違う組に配属されたら、
それこそどうしていいかわからなくて面食らってしまいますよね。
お稽古の仕方、本番までのもっていき方、組の上下関係、言葉の使い方、
などなどあげていったら、その違いは数限りなくあるような気がします。
楽屋も、いつもと同じ筈なのに全く違う場所に感じられるらしいですから……
(ここでスリッパ脱ぐの?とビックリされた、という話も……)
そういうときに、叱るのではなく、わからないのだからと優しく教えてくれる上級生がいてくれたら天にも上るような気持ちで安心するでしょう。
今回の文春の記事に、
星組で育った体育会系の人たちが、自由で緩めの宙組に組替えで来てしまって、
その厳しさについていけなかった下級生たちの姿が浮き彫りにされていました。
どの組も、それぞれの厳しさと優しさがあるわけで、
どの組が良くて、どの組が悪い、なんてことは決してないと思うのです。
ただ組のやり方が違うので、そこに慣れるまでが大変だ、ということだと思っています。
これからも組替えはたくさんあるでしょうから、
どうぞ行く方も迎える方も、温かく優しく接して頂ければ幸いだと思います。
前に、月組から花組に組替えで行かれた男役と、宙組から花組へ組替えされた娘役がコンビを組んでいましたよね。
その時お稽古中に、娘役さんがあまりの大変さに、
「もう、出来ません」と、泣き崩れたことがあったそうです。
男役さんは、前の月組でも花組でも、娘役さんが、
「もう、出来ません」などと言うことは聞いたことがなかったし、
ましてや皆の前で泣き崩れるなど見たこともなかったので、
本当にビックリしたそうです。
普通なら、
「そんなこと言うもんじゃない、そんなことを言う娘役を見たことない、とにかくやりなさい」
的な感じで叱るところですよね。
でも、男役さんは、相手役が出来るようになるまで親身に付き合ってお稽古して、
見事に素晴らしいトップコンビになりました。
組替えにより、新たな場所で右も左もわからない状況の中で、
さらに厳しくされたら、それこそもうどうして良いかわからなくなってしまうと思います。
出来ないことをを叱るのではなく、組の違いがあることをよく理解し、
優しく思いやれる人になれるといいですよね。
「宝塚は一つ」ではなく、「各組全く別物」というくらいの考えを持っていられると
組替えもスムーズにいくのではないでしょうか。
もちろん「宝塚は一つ」なんですがね……
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