関東のアダムのブログ

半世紀以上、宝塚大好き、子育てで中20年くらい抜けていますが、また返り咲いて全組応援しています。特に雪組朝美絢様推しです。どうぞよろしくお願い致します。

花組、明日海りおを継ぐもの、聖乃あすか




昨日の、花組「舞姫」千秋楽の配信を観ました。



主人公「太田豊太郎」


ただ、その通り演じてしまったら、とんでもないクズ男の物語ですが、


置かれた立場と、自分でも初めて知った、思ってもいなかった強い感情との狭間で


もがき苦しむ青年を、聖乃あすかさんが、丁寧に繊細に、でも力強く演じてくださいました。


本人の辛さ、苦しみがこちらにまでひしひしと伝わってきたので、


ああなってしまったのは、仕方がなかったのかな、と妙に納得させられるほどの演技力でした。



同じような作品で、


青年の嘆き苦しみ、相対するものへの矛盾、葛藤、押さえきれない、もて余す自分の強い感情、


などを見事に演じきった明日海りおさんの「春の雪」を思い出しました。


明日海さんがまだ月組時代の作品ですが、


若い頃の代表作になりましたよね。


本当に素晴らしかったですが、今回もそれを彷彿とさせるほどのインパクトがありました。



聖乃さんは、花組で、新人公演を三回主演しましたが、全て明日海りおさんのお役。


「ポーの一族」「メサイヤ」そして退団公演の「A Fairy Tale」


明日海さんの代表作ばかりです。


そこから、たくさんのことを学ばれたのでしょう。


ここかしこから、明日海さんの面影が感じられて、懐かしくもあり、


立派な役者さんになられたなあ、と、感慨深くなりました。



喉の調子が良くなかったようで、台詞はまだしも、歌はとても苦戦していましたね。


そこでも、明日海さんの退団公演のさよならショーを思い出しました。


退団公演の千秋楽、歌も台詞もダンスも精一杯やって、


もう、とうに限界は越えているだろう、さよならショー。


いつもの、透き通った美しい声に、かすれが生じていて、


最後まで歌いきれるのか、最後まで持つのか、


と、とても心配したことを思い出しました。


でも明日海さんは、観ている者に何も心配させずに、思いっきり最後まで歌いきったのです。


明らかに、喉の調子が悪くなっているだろうことは、聴いていてもわかりました。


でも、ご挨拶に至るまで、何の弁解もなしに、見事にやり終えたのです。


本当に感動しました。



そして今回の「舞姫」の聖乃あすかさん。


本当に明らかに喉を痛めていらして、声を出すことだけでも大変だったのではないでしょうか。


歌もたくさんあり、低音から高音まで、


本調子の時だって難しそうな曲、曲を、見事に最後まで歌いきりました。


音程がはずれたり、かすれてしまったりもありましたが、


そんなこと、どうだっていい。


一度も臆することなく、怯むことなく、不安も一杯あったでしょうが、


思いっきり最後まで歌いきってくださいました。


そして、やはり、何の弁解もせずに、


見事に千秋楽をやりきりました。



明日海さんの、技術的な実力はもちろんたくさん受け継いでいらして、


年々素晴らしい男役さんになられていますが、


なにがなんでも、舞台で何が起ころうとも、


絶対に怯むことなく最後までやり遂げる、という精神を、しっかりと受け継いでいるのだな、


と、とても嬉しく思いました。



実際、悔しかったと思いますよ。


こんなに頑張ってきて、千秋楽まできて、しかも配信のあるこの公演を、


完璧に演じられなかったこと。


でも、十分伝わりましたよ。


しっかりと、太田豊太郎として、舞台で息づいていました。


本当に素晴らしかったです。




下級生の頃の「マイヒーロー」を観た時、


数少ない台詞を噛んでしまって、


楽屋出でファンの方たちに、


「本当に申し訳ありませんでした。今後は絶対にないようにしますので」と、


平謝りしていたのを思い出しました。


そんなに謝らなくていいのに、と、思いましたが、


ご本人は、悔しくて悔しくて、どうしようもなかったのでしょう。


本当に誠実な素敵な方だなと、思いました。



次の公演まで、どうぞゆっくりと休まれて、喉のケアーをしっかりとなさって、


また素晴らしい歌声を聴かせてください。



今回の記事は、余りに素晴らしかった聖乃さんのことだけになってしまいましたが、


皆さん、本当に素晴らしかったです。


また、感想を書きたいと思います。



お疲れさまでした。


ゆっくり休んでください。







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